心境の変化と今年の目標

あけましておめでとうございます。


当ブログはずいぶんと放置状態でしたが、また暇があれば更新していきたいなとは思ってます。(でも栄養関係の解説記事を書く気力はないかも)相変わらず自転車の方は量はこなせていないものの、コンスタントに乗り続けてはいます。ただ、レースに出るのはもういいかなぁという気持ちなので、何かを目標にしてトレーニングするというのはしてません。


本当はまたレースを走ってみたいという気持ちはわずかにあるのですが、あらゆる気力や体力を自転車に投げ打ってレースに挑む...というのがしんどくなってしまいました。自転車以外にも私には仕事や家庭のことがあって、そちらにもある程度エネルギーを持っていかないといけない。その辺のバランスを考えると、私のスペックでは自転車トレーニングをゴリゴリしていくのは難しいんじゃないかな...と思うようになりました。


なかば諦めにも近いです。その心境になったのは、去年6月7月に著しく体調を崩したことに発端があります。こちらは Stravaの「2020 Year in Sport」に関するツイートです。

月ごとのトレーニング時間を見ると6月7月だけ大きく落ち込んでいます。過去のブログにも書きましたが、この時の私はしょっちゅう夜中に目が覚めて眠れず、常に背中が強ばったように痛くて、イスから立ち上がるだけで目の前がまっ白になって、自転車に乗っても全く力が入れられない状態でした。原因はよくわからないです。 コロナ禍のストレスやプライベートでもストレスは多かったですが。


今はその頃と比べると数倍元気に回復したのですが、やっぱりまだまだ無理がきかない気がします。色々ともどかしい気持ちを味わいましたが、まずは自転車を楽しみながら続けて、仕事などそれ以外の日常生活も無理なくきちんとやっていくようにしたいな、という結論に至りました。これが私の今年の目標です。


というわけで、今年も主におはみのでお世話になることが多いと思いますが、ぜひ色んな方と楽しく走りたいです。 2021年もどうぞよろしくお願いします。

頭の中が忙しい(マニアックな話)

最近は割と元気に過ごせるようになってきてはいるんですが、まだ満足できるレベルには至っていません。自転車に関していうと(最近はCTL管理をしていないので体感ですが)よく乗っていた時期に比べると半分くらいしか走ってないような感じです。

本当はもっと思いっきり自転車に乗って楽しみたい。できることなら仕事もその他諸々プライベートを充実させたい。そのためにはどうしたらいいんだろう…?とひたすら考えを巡らせる日々です。

具体的に何を考えているかというと、体調不良の根本原因と解決策について。色々調べながら頭の中でぐるぐると。ここからはかなりマニアックな話で、断片的な内容です。

こんなのアップしてどうすんねんって感じです。私がいかに普段から栄養のことばかり考えているかわかると思います。

 

6月に受けた血液検査の結果思ったこと

  • ビタミンB群、特にB6が足りていないのではないか
  • 亜鉛が足りていないのではないか
  • たんぱく質も足りていないのではないか

過去の血液検査結果も引っ張り出してきて徹底的に見つめた結果、このように思い至りました。もともとの体質的にこれらの栄養素が不足しやすい上、ロードバイクで本格的にトレーニングをするようになり必要量に拍車がかかったのでは。

 

サプリメントに関して思ったこと

  • 1年以上継続摂取しているサプリの効果が感じられない
  • 消化管からの吸収に問題があるのでは(腸内環境)
  • 代謝経路に苦手な部分があるのでは

摂取しているのはビタミンC、ビタミンE、ビタミンB群、亜鉛、鉄。サプリは主にiherbで購入しているので、用量は十分すぎる。特にビタミンB群、一般的に言われているような作用が実感できない。ビタミンB群に関しては腸内細菌が合成するものもあるくらい、腸内環境が関わる。便秘気味なので思い切って乳酸菌と酪酸菌の整腸剤を飲んでみたら、お通じはびっくりするほど快適に。代謝経路に関しては、ビタミンが実際に体内で作用するときに必要な形態にまで代謝がうまくいっていない疑いが。活性型のビタミンを摂取してみる。

 

自己血糖測定器「Free Style リブレ」を装着して思ったこと

  • 血糖維持機能が低い(上下しやすい)
  • 食後血糖の推移が2相性
  • その他自覚症状等を総合すると副腎疲労ではないか

9月中旬、センサーを腕に張り付けて血糖値を24時間モニターできる「Free Style リブレ」を装着。自分の血糖値データを見つめたところ、副腎疲労っぽいよなと。要するに、アドレナリンやコルチゾールといった血糖コントロールに関わるホルモンを産生する臓器、副腎が弱ってるのでは、ということ。

 

ビタミンB群や亜鉛が不足すると、体内のエネルギー産生や神経伝達物質産生の反応が滞り、疲労感の原因になる。副腎が疲れても同じこと。

自転車等普段の生活で無理をしてしまったせいで、これらの栄養素が不足して生体内のバランスをと整える機能が落ちてしまった。できることは食生活の改善と足りない栄養素の補充、見境なく自転車に乗るような生活習慣の改善。

数年かけて崩れたバランスはすぐには戻らないのはわかっているけど、他に何かできることはないかと日々考えて調べ続けています。

ほんと個人的でどうでもいい内容でした。失礼しました。

少し元気になった近況とココナッツオイルこぼれ話

また間が開いてしまいました。

体調の経過とか、体調を取り戻すべく色々と取り組んでいることを書きたかったのですが、なかなか気乗りせず。あんまり考えがまとまらなくて。なのでとりとめなく書いてみることにします。

 

少し元気に

前回ブログでうまく寝れない話を書きました。処方されている薬がやんわり効いているのか、以前よりよく眠れるように。夜中に目が覚めてそのまま寝付けないというのがほぼなくなって、朝方目が覚めても二度寝ができるようになってきました。

日中も仕事や家事がしやすく。体調が悪いピークの時って、しんどい体に鞭打って絞り出すように何かをするのが常だったんですが、体調が悪くないと鞭打たなくてもすんなりできるものなんですね。そんな当たり前のことすら忘れていました。

体のしんどさが減ると、それに連動して心も穏やかになりました。落ち込んだりイライラすることが減って明らかに家庭内が平和なんですよね。何をするにも、健康であることが第一なんだなと、しみじみ思いました。

 

ただ、寝られるようになった割には「疲れやすくて疲れが取れにくい」という症状が残っています。元気だった頃と比べると、活動できる強度やボリュームが明らかに低い。先日通院したときにこれを相談すると、先生曰く「脳がかなり疲れ切っているかも」とのこと。病的な疲労が慢性的に続くのは脳の炎症によるものと考えられているらしい。

というわけで薬が1剤追加に。あんまり飲みたくない系統の薬ですが、「効かなかったら止めればいいんだから」と自分を励まして飲み始めました。ほんと病人みたいなの嫌だ。

 

唇がつるつるになった

突然何を言い出す!?って感じですが。色々思うところがあって腸内環境の改善(いわゆる腸活ってやつ?)に目覚めました。その延長で、寝る前にココナッツオイルをスプーン1杯飲むようにしたら、長年の唇の荒れがきれいになくなったという。予想外の現象にびっくり。その理由を色々考えてみたのまとめてみました。ちょっと栄養学っぽいです。

中鎖脂肪酸がすごい

まずは脂質の基本から。私たちが食事中の油や脂として摂取する「脂質」は、グリセロールという根元の成分から脂肪酸が3つ生えている構造をしています。そこに生えている脂肪酸がどういった種類かによって脂質の性質が決まります。

ココナッツオイルはその脂肪酸に大きな特徴があります。他の食用油脂にはあまり含まれない「中鎖脂肪酸」メインで構成されているのです。(他の食用油脂はほぼ長鎖脂肪酸で構成されている)中鎖脂肪酸は長鎖脂肪酸と比べてエネルギーに変換しやすいという話は割と有名ですが、それ以外にも面白い特徴があります。抗菌作用です。

おそらくなんですが、長年の唇の荒れはカンジダというカビの一種が原因だったのではないかと踏んでいます。実際、唇が荒れすぎてガビガビになった時に皮膚科に行ったことがありますが、カンジダだと言われました。抗真菌薬(カンジダは真菌)を塗ると酷い荒れは収まるんですが、慢性的な皮剥けなんかは改善せず。あまりにも日常的に荒れていたのでこんなもんだと諦めていました。けれども、ココナッツオイルを飲むときに唇に付いたぶんが、潜んでいたカンジダ効いたのではと。めっちゃつるつるになりました!

ココナッツオイルってその辺の食用油と同じような「ザ・油!」って感じなので、そのまま飲むとなると抵抗があったり面倒だったり。ココナッツオイルが主成分のリップクリームも売られているみたいなので、普段はそちらを使おうかなと検討中です。

 

なんやかんや言いつつ、自転車も定期的に乗れてます。平日は低強度の朝練や夜練を少しづつ。週末も量を抑えて乗っています。ここまで調子を崩しても自転車に乗り続けているのは、やっぱり自転車に乗ることが純粋に好きだからなんだと思います。

ばらばらとした内容でしたが、お読みいただいてありがとうございました。

 

睡眠と自律神経について本腰入れて検査した結果

先日、体調不良になったブログの続きです。

受診先で、この体調不良はどうやら睡眠障害に起因しているのではないかと目星を付けられ、睡眠活動量計をつけて睡眠の状態を診てもらうことになりました。先週、検査結果を聞きに受診してきたので、その話です。

 

非常に睡眠が浅い

今回の検査は時計型の活動量計を7日間装着して、睡眠時の体の動きから睡眠の状態を評価するというもの。Philipsのアクティウォッチという機器を使いました。結果はこんな感じにプリントアウトして渡されるのですが、かなり睡眠が浅いと指摘されました。

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水色で塗りつぶされている部分が寝ている時間帯です。その時間帯の下側に赤色でプロットされている部分が頻繁にあるのですが、これが寝ている間に体が動いている状態=眠りが浅い状態を示しています。私はこの赤い部分が非常に多い、つまり睡眠が浅すぎて疲労回復が追い付いていない状態だと言われました。

日曜日の朝方なんて、寝てるつもりでほぼ起きてるような状態(覚醒状態の緑色の背景に変わってしまっている)らしいです。しかも、睡眠導入剤を飲んでいてこれだから、飲んでいなかったら更に悪い結果だったと思われるとも。

寝つきが悪い・ぐっすり寝られないのが継続的に気になりだして1年以上経っているので、この間にじわじわHPを削られていたのだと…結果を見て思いました。調子を崩すのは急に来たけれど、徐々に調子を落としている実感はあったんです。もっと早く気づいてあげればよかった。漫然と睡眠導入剤飲んでるだけじゃ良くなるわけなかった。

 

自律神経のバランスが振り切っていた

さて、なぜこんな風に睡眠に異常を来すようになったのか。それをある程度説明してくれるのが、睡眠の検査とセットだった自律神経の検査結果です。

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これ、わかりやすくていいですね。レッドゾーン振り切ってます。

興奮をつかさどる交感神経に対し、リラックスをつかさどる副交感神経。心拍の変化から交感神経と副交感神経の強さを求め、交感神経÷副交感神経の数値が示されます。通常は交感神経:副交感神経=1:1なので1なんだそうですが…8を超えている!!どんだけ興奮状態やねん、そりゃ寝れんわw

(あまりに交感神経の働きが強すぎて、自律神経機能の年齢がエラーを起こして24歳という超絶若返りな数字に。エラーなので意味がない数字だそうです、残念)

交感神経が異常に優位になってしまう主な原因はストレスだと言われました。「ストレス→交感神経アゲアゲ→寝れない」という図式。ただ、そのストレスが何なのかというのはまた別の話。今の最優先事項は疲労状態、不眠状態を脱すること。そうして睡眠薬の調整に入っていくのでした。

 

ということで、今は新しく処方された薬で様子を見ているところです。この手の薬物療法って個人的な経験からあまり印象が良くないのですが、処方された薬を見ると、数年前の体調不良の時、回復のきっかけを与えてくれた薬と同じものでした。ご縁を感じるとともに、これでぐっすり寝られるようになるといいなと。

けれども、薬を飲むことが根本的な解決につながるとはなかなか思えない。なぜこんなふうに疲労困憊になってしまったのか色々調べていて、自分でできることで体質改善したいなと思っているところです。今特に気になっているのは割と栄養学的な視点の話です(自然とこのブログ名に回帰してしまった)。次回その話を書きたいなと思います。

 

 

コントロール不能な体調不良モードに突入

お久しぶりです。かなり放置していたブログですが、ひっそり更新。

個人的な話です。

 

しんどすぎる

6月半ば。なにをどうやってもコントロールできない体調不良に見舞われました。コロナ禍でもそれまでは結構元気に走り回っていたのに。

症状としては、休日怠くて一日中起き上がれない、背中が痛重い、頭痛、立ち眩み、全身に力が入らない、など。とにかく「しんどい」の一言に尽きる。

そんな中でも無理やり自転車に乗ろうと試みても、とにかく「しんどい」。身体に力が入らないから、当然ペダルにも力が入らない。元気な時は難なく走れていたコースが、とにかく苦痛。

仕方がないので、週末の大半の時間をベッドの上で過ごして休みましたが、辛いまま。今まで土日の片方を寝込んで過ごすことはありましたが、ここまでひどい状態は自転車を始めて以来初めて。

身体が辛いと精神的にも参ってしまって、散々夫に泣きつきました。夫もどうしていいかわからなかったのだと思います。「しんどいなら自転車止めて休むしかないでしょ」「疲れているなら適切に休んでコントロールすべき」と正論で突き放されて、余計に精神を参らせていました。本当は共感とか気遣いの言葉が欲しかったけど、夫の立場からすると、私の体調不良を改善させる術はないのでそれしか言いようがなかったのかなと。

 

知り合いからの冷静な一言

この行き詰った状況を、自転車と関係ない知り合いに苦し紛れに打ち明けてみました。返ってきた言葉は、「病気じゃない?検査してもらったら?」。この言葉にハッとして、病院に行くという選択が取れました。

これを言われるまでは、「自分はただ疲れているだけ。これは自分のせいで、自分の力で何とかしなければいけない」と思っていて、病院にかかるなんて発想は微塵もありませんでした。でも、身体のどこかが異常を来しているせい(=病気)でしんどいのなら?適切な治療を受ければ楽になるかもしれない、ということで早速予約を取りました。

 

慢性疲労

自身の症状をネットで調べると、出てくるのが「慢性疲労」というキーワード。慢性疲労を診てもらうためには何科にかかればいいかわからなかったのですが、疲労を専門に診てくれるクリニックを大阪市内に発見したので、そこに相談してみることにしました。「慢性疲労症候群」という病気を専門的に扱うクリニックです。

まさか自分はそんな大変な病気ではないはずなので、場違いになってしまわないか不安でした。「いやそれ自転車乗りすぎなのが悪いだけやん」と一蹴されるのが怖くて、びくびくしながら診察を受けましたが、杞憂に終わりました。

 

丁寧な問診

初診はとても丁寧に時間をかけて聴き取りをしてくれました。過去の病歴から、現在の症状に至るまで生活の内容まで、こちらが「出し切った…」と思うレベルまで聞いてもらいました。

先生が注目していたのは、私が不眠症持ちであること。不眠症に関しては既に別の病院で睡眠導入剤を処方してもらっているレベルで、これは疲労に対する回復力が大きく損なわれる原因になると。また、過去(自転車を始める何年か前)に重度の体調不良を起こしていたり、これまでに疲労が原因で生活が変わってしまったことがあることも、今回の体調不良と関連があるかもしれないということでした。

ただ、問診でわかることは限定的なため、まずは一般的な疾患を除外するために血液検査を行うことに。ここで治療が必要な疾患が見つかれば治療をし、なければ更に詳しい検査を行って治療方針を見立てていく、という流れです。

 

本腰入れて原因を探る

1週間後、採血結果を聞きに再来院しました。結果は全く問題なし。これで次のステップに進むことになりました。睡眠に問題がある可能性が高いため、活動量計を装着して睡眠の状態を調べる検査です。7日間、時計型の活動量計を付け、そのデータを解析するのに3週間を要するという、大掛かり?な内容です。セットで自律神経の検査も。こちらは専用の機械で数分で完了するもの。活動量計の解析結果と合わせて評価するそうです。これらの検査は保険適用外のため自費で1万円ほどかかりました。

週明け、検査結果を聞きに行きます。

 

なんか、普通じゃない精神状態だったのかも

とりあえず必要な検査はしたので、あとは待つのみ。でも、検査の結果が出て治療して症状が改善するまで、自分はどうやって過ごせばいいのか?本当はもっと自転車に乗りたい。今までトレーニングして積み上げてきたものを失うのが怖い、という気持ちが先行していました。

上に書いた検査について看護師さんから説明を受けたときに、思わずおかしな質問をしてしまいました。

「疲れているときって、疲れるようなことはしない方がいいんですか?」(疲れるようなこと=自転車に乗ること、のつもりで聞きました)

看護師さんは「???」という感じになりつつも「疲れというのは身体からのサインだから、そのサインを受け取ってあげて、疲れたときは休むのがベストですよ。どうしてもしなくちゃいけないことがあるなら、段階を分けて、ここまでならいける・無理というのを都度判断しながらして」と答えてくれました。

疲れたら休むのは当たり前のはずなんですが、その当たり前が自分の中ではそうではなくなっていた可能性。思わずこんな変な質問をしてしまったあたり、自分は小さな疲れを無視し続けて、今の状態に至ったのかもしれないなと帰り道に思いました。

自転車乗って、仕事して、家事もきちんとなくちゃ…と自分を追い込んで、いつの間にか逃げ場のない精神状態になっていたのだと思います。そういう性分というか、性格というか。「せねばならない」と思い込んで、突っ走りがち。ほんと、不器用やわー。

 

そんな自分に気づいたのも、ゆっくり休もうと思うきっかけになりました。もう1か月以上、トレーニングとは程遠い生活をしています。自転車に乗るなら気分転換程度で。追い込まず、疲れの具合を見ながら。

7月から在宅勤務が始まり往復3時間の通勤から解放されたのも幸いして、徐々に疲れは回復してきています。背中が痛くて動けないという最悪の状態からは脱しました。まだ疲れやすくて、しょっちゅう頭痛をおこしたり、ぐったりしたりしていますが。それでも、先週は何か月かぶりのおはみのに行って、「おはみのフルコース」を走って家に帰ってこれたのは大きな前進です。久しぶりに顔を合わせて色々とおしゃべりしながら走るのは本当に楽しかった…!!!

 

まだ療養?的なフェーズが続きますが、これをきっかけにもっと自分の体調と向き合っていきたいと気持ちを新たにしています。

【高たんぱく・低脂質】お手軽ローストチキン&ポークの作り方

お久しぶりのブログ更新です。なんだか急にブログ熱が冷めて更新をさぼっておりました。

年末から気合いを入れて(当社比)ダイエットに取り組んでいるのですが、なるべく高たんぱく質かつ低脂質のメニューを、手間なく作ることはできないだろうか…と色々調べて試行錯誤。

結果生まれた「超手軽に作れるローストチキンとローストポーク」のレシピを、今回は詳しい作り方付きで紹介したいと思います!

 

 

どんなレシピ?

塊肉を110℃のオーブンで低温調理します。低温調理といえばお湯で加熱するサラダチキンがポピュラーですが、湯温の管理が意外と難しかったり、水っぽくなったりするのが個人的に好きではありませんでした。

オーブンなら一旦セットしてしまえばあとは放置するのみ。温度管理が確実なので毎回の出来具合にムラがないのが最大のメリットです。また、うまみが逃げないので、脂身なしの肉でもしっかりとした味わいに仕上がります。

漬け込み~焼き上がりまで時間はかかりますが、実際の作業時間としては5~10分程度で済みます。焼きあがってから2~3日は冷蔵庫保存が可能なので、お肉が安いときに一気に作って作り置きおかずとして常備しておくことも可能です。

忙しいけどヘルシーで食べ応えのあるおかずを食べたい時におすすめです!

 

ちなみに、110℃のオーブンで加熱するなんて素晴らしいアイデア、私が思いついたわけではなく…こちらのレシピをもとに、最低限のポイントを押さえてアレンジさせていただきました。本家はこちらです!

dt125kazuo.blog22.fc2.com

 

材料と作り方概要

<材料>

・鶏むね肉1枚(250~350g推奨)or 豚もも肉ブロック250~350g

・肉の重量の3%の食塩

・ガーリックパウダー小さじ1/2 or にんにく1かけ

・砂糖小さじ1/2

・コショウやパセリなどお好きなハーブ・香辛料

・サラダ油やオリーブオイルなどお好きなオイル

 

<使用するアイテム>

フォーク、丈夫な食品用ビニール袋、アルミホイル

キッチンバサミ(あったら便利)

 

<作り方概要>

1.食塩・ガーリックパウダー・砂糖・ハーブ類を計量し混ぜておく

2.鶏むね肉は皮を外す

3.肉にフォークで穴をあける

4.1で混ぜた調味料をまぶしてビニール袋に入れ、もみ込む

5.冷蔵庫で寝かせる(3時間~24時間)

6.冷蔵庫から出して常温に戻す(30分~1時間)

7.オイルをまぶして110℃に予熱したオーブンで80分加熱

8.焼きあがったらアルミホイルで包んで冷ます

9.切り分けて完成!

 

写真付きで詳しく解説!

 

1.食塩・ガーリックパウダー・砂糖・ハーブ類を計量し混ぜておく鶏むね肉の皮は、一般的に40~50g程度です。このため、今回は鶏むね肉300gの3%の4.5gの食塩が必要な計算になります。豚もも肉はラベルの重量そのままで計算。

我が家の料理用はかりは1g単位なので、4.5gといっても本当にだいたいです。食塩はお好みのものでアレンジ効かせちゃってください。今回、鶏むね肉用にクレイジーソルト+普通の塩、豚もも肉用には雪塩を使いました。

ハーブ、香辛料もお好きなもので。ガーリックパウダーがないときはにんにくをすりおろして混ぜるのもアリ。砂糖は水分を抱え込んで肉を柔らかくする作用があるため少量使います。ほとんど味には影響しません。

今回使用した調味料は以下の通りです。

鶏むね肉(洋風の味付け):クレイジーソルト、普通の塩、パセリ、パプリカパウダー、ブラックペッパー、ガーリックパウダー、砂糖

豚もも肉(中華風の味付け):雪塩花椒(ホアジャオ:麻婆豆腐の痺れるやつ)ガーリックパウダー、砂糖

 

2.鶏むね肉は皮を外すもみ込み用のビニール袋は広げてスタンバイしておくと楽です。皮を外すのにはキッチンバサミがおすすめ。余計な脂身も取りやすい。

 

3.肉にフォークで穴をあける

まじで穴だらけでいいのでぶすぶすやっちゃってください。味が染みこみやすくなるのと、肉の繊維を断って柔らかくするねらいがあります。

 

4.1で混ぜた調味料をまぶしでビニール袋に入れ、もみ込む

表に半分だけかけてビニール袋にイン→裏側に残りをかけると楽に均一にかけられます。

 同様に豚もも肉にも取り掛かります。豚もも肉は皮を外す作業がないので更に楽です。

書き忘れていましたが、ビニール袋を裏返して手袋代わりにして作業すると手が一切汚れずに済みます。

穴だらけ。

表側に調味料をかけたらビニール袋ごとつかんで裏返す。

裏側に残りの調味料をかける。

 

5.冷蔵庫で寝かせる(3時間~24時間)味をなじませるために、できれば半日~一晩以上置いてもらった方がよさそうです。

 

6.冷蔵庫から出して常温に戻す(30分~1時間)

冷蔵庫から出してすぐオーブンに入れると中心部まで十分に加熱できない可能性があります。どうしても時間がないときはオーブンの設定温度を上げる、加熱時間を長くするなどの工夫が必要です。

 

7.オイルをまぶして110℃に予熱したオーブンで80分加熱

今回、洋風の鶏むね肉にはオリーブオイル、中華風の豚もも肉にはごま油を。オイルの種類はお好みでどうぞ。

オイルはビニール袋の中にばーっと注いで肉全体にいきわたるようにもみもみすればOK。オイルでコーティングすることで、肉表面が乾燥して固くなるのを防ぎます。

オーブンの天板にアルミホイルを敷いて肉を並べます。少量ですが肉汁が出るので、漏れ出さないように周りを囲っておきます。

110℃に予熱したオーブンに投入!80分セットしてあとは待つだけ。

8.焼きあがったらアルミホイルで包んで冷ます焼き上がり。少し縮んで肉汁が出ています。肉汁は捨ててもそのままでもよし。

敷いていたアルミホイルでそのまま包んで粗熱が取れるまで放置。

 

9.切り分けて完成!鶏むね肉は中心部まで白くなっていてピンクの部分は残っていません。しっとりとしてきめ細かい食感です。そのまま食べてもおいしいし、角切りにしてサラダの具にしてもおいしいです。

豚もも肉はこんな感じ。わずかにピンクがかっているかな?くらいが目安です。しっとりとして、みっちりつまった弾力のある食感です。なにもかけずにいただけます。

肉のスライスは普通の包丁よりもギザギザ刃のナイフを使う方がきれいに切れます。私はビクトリノックスのベジタブルナイフを愛用してます。小ぶりでお手頃価格でパンもきれいに切れるのでかなりおすすめです。

 

低温調理に関する考察

今回は管理栄養士らしく、低温調理の利点と衛生的な注意点についても語ってみたいと思います。

たんぱく質の変性と加熱温度

肉は加熱しすぎると固くなってパサつきますが、しっかり加熱しないと食中毒のリスクがあるというジレンマを持つ食材です。しっかり加熱して食中毒のリスクを下げたうえで、柔らかくおいしく仕上がる温度で調理する必要があります。

たんぱく質はある一定以上の温度になると「変性」という現象を起こして、固まったり色が変わったりします。これは熱の影響でたんぱく質分子の形が変わってしまうこと原因で起こる現象です。

肉を構成するたんぱく質は主にアクチン・ミオシン・コラーゲンに分類されますが、このうちアクチンは66℃で変性が始まり、これが硬さやパサつきの原因となります。他にもいろいろな要素はあるのですが、とりあえず肉の温度が66℃を超えないようにすれば、柔らかく仕上げられることになります。

けれども…そんなに低い温度で、食中毒の原因になる微生物を死滅させられるのでしょうか。これについては、厚生労働省が提言している「食肉の加熱条件に関するQ&A」という資料が参考になります。

基本的には「中心部を 75℃で 1 分間加熱することが必要」とされています。また、これと同等の条件として「70℃3 分、69℃4 分、68℃5 分、67℃8 分、66℃11 分、65℃15 分が妥当」とされています。

最善の条件は?

ここまで説明した内容を照らし合わせると、「65℃15分」が最も柔らかく安全に仕上がる条件といえそうです。けれどもこれ、たぶんめっちゃ加熱に時間がかかります。また、肉の厚みや重量による影響が大きいため、確実に「65℃15分」を実現できる条件を作るには、かなり手間がかかるのでは、と個人的には思います。実際、実験に実験を重ねて低温調理を極めた方のブログを読むと、かなり繊細なんだなという印象を持ちます。

一方で、これまで私が低温調理をする中で感じたのは、中心温度が75℃を超えると固さが目立ちだすということです。このため、手軽さとおいしさのバランスが取れているのが、70℃付近の中心温度なのではと思います。

今回のレシピでの中心温度は?

それでは、今回のレシピの条件で作るとどうなるのか。実際に中心温度を測ってみました。完成5分前、つまりオーブンで加熱開始後75分経過した時点での、鶏むね肉の中心温度…

70.2℃でした。(これを測った時の鶏むね肉の重量を記録していなかったのが心残りですが…おそらく300g前後だったと思います。)レシピ通りにいくと、ここから5分さらに加熱するので70℃3分という条件は確実にクリアできると思います。予熱を考慮すれば、75分時点で加熱終了してもOKかもしれません。

70℃くらいまで加熱すると、アクチンの変性がある程度進んで固さも出るには出るのですが、十分おいしく食べられる範囲です。作ってみたらわかりますよ(謎の上から目線)。

これより柔らかく食べようと思うと、オーブンの設定温度をさらに低くして、加熱時間を延ばさないといけません。誰か実験していい条件がわかったらぜひ教えてくださいw 熱伝導の関係上、お湯で加熱するより時間がかかってしまうのがオーブンの弱点ですね。

 

栄養学的な考察

冒頭にダイエットの話をちらりと書きましたが、このローストチキンとローストポークはトレーニングしながら痩せたい方の強い味方になってくれると思います。なにせほぼ脂身なしなので高たんぱく質・低脂質。計算すると下記のような構成になります。

<鶏むね肉>鶏むね肉

<豚もも肉>豚もも肉

※グリコHPの「栄養成分ナビゲーター」を使用して計算しました。

特に鶏むね肉で作ると脂質が少なくたんぱく質が多いことがわかります。1食分としては100~150gが目安なので、これだけで35~25gのたんぱく質が摂取できます。カロリーは200~130kcal。メインディッシュとしてしっかり食べられるので、低カロリーでもかなりの満足感が得られます。

ちなみに、リッチな気分を味わいたいときはで豚ロースで作ってもおいしくできます。オーブンから出した後、短時間強火のフライパンで焼き目を付けると、脂も香ばしくなって最高です。脂身によって脂質が激増するのでカロリーは倍になりますが…

 

お味のほどは?

さて、これだけ書いておいて、味についてあまり言及してこなかったので最後に付け加えておきます。おいしいです

1月にめうさん主催の「新めう会」の持ち寄り料理として、このローストチキンとローストポークをお持ちしたのですが、「おいしかった!」というコメントをたくさんいただきました。ありがとうございました!

ameblo.jp

この時はスライスしたのをそのままお出ししたのですが、アレンジするならサラダの具にするとか、薄めにスライスしてソースをかけて丼にするとか、サイコロ状に切ってオムレツの具にするとか、余ったカレーのトッピングにするとか、サンドイッチに挟むとか、いろいろ思いつきます。ハーブやスパイスもアレンジが効くので、飽きずに楽しめると思いますよ。

 

実はこれを書いている最中にも鶏むね肉2枚焼き上がりました。ぜひ皆さんもつくってみてください~!

 

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【レース時の補給の考え方】堺浜クリテ第2戦、90分エンデューロの補給実録

先週土曜日に堺浜クリテリウム第2戦のTTと90分エンデューロに参戦してきました。エンデューロは女子クラス2位!(女子のエントリーが20名を超えていたため表彰もしてもらえました)普段は平坦レースには出ず、集団走行が非常に苦手なため、ほぼ勢いと運と周りの方々の優しさで得られた結果だと思います。けれども、この好結果を下支えしてくれたのが、補給と食事だったのかもしれない、とも思っています。

せっかく栄養学のブログを書きながらレースに臨むので、このレースに向けてどんな食事や補給を摂ろうか色々と考えていました。本当はレース前に補給に関する記事をアップしようと準備していたのですが、なかなかまとまらず。そのままレース当日を迎えてしまうというオチに。

なので、今回は振り返りという形です。私がレース当日に摂った食事と補給について、栄養学的な考察を交えてまとめてみます!

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アップ50km+TT+90分エンデューロ

冬の体力づくりを目的にエントリーした今回のレース。TTとエンデューロは午後からで時間的に余裕があったため、アップを兼ねて自宅から会場の堺浜まで50km走ることにしました。会場到着後に昼食をとり、TT→エンデューロに出走というスケジュールです。流れを図に示してみました。

堺浜当日のスケジュール

このスケジュールをもとに食事や補給の計画を立てていきました。

 

カーボローディングを行うか

まず決めたのが、カーボローディングを行うかどうか。カーボローディングの要否を決める1つの基準に「競技時間が90分以上かどうか」というものがあります。今回はアップで2時間以上走るうえ、エンデューロは90分なので、本来ならカーボローディングが推奨される状況です。

けれども、個人的に今回のレースは練習が目的だったので、大掛かりな準備はしないことにしました。今後の本番レースに向けてカーボローディングのお試しをしても良かったのですが、なにせオフシーズンで気持ちが緩んでいたのが大きいですw

ただ、カーボローディングはしないにしても、レース前日に糖質を多めに摂取しておくだけでも多少の効果はあると思います。前日の金曜日は朝食に大好きなクリームパン、おやつにもクリームパン、晩ごはんにはいつも食べる量のご飯に加え、おかずにラザニアを投入。食べすぎ?1日だけやしええやろ、という適当具合です。厳密に栄養計算してないですが、おそらく脂質がオーバーしてた感がありますw

本来カーボローディングをするのであれば、摂取カロリーは普段と同じにしたうえで脂質を減らし、その分糖質からカロリーを摂取するというのが正解です。やたらめったら食べがちですが、意識して脂質を減らさないとカロリーオーバーになってしまいます。

なので今回私が前日にクリームパンやらラザニアやら食べたのは、脂質の面から見るとちょっとアウトです。太る原因です。ただ、糖質は十分とれたと思います。

 

レース当日の補給計画

今回はレース開始が午後なので、朝食は普段のライド前に食べるものと同じような内容にしました。パン2切れにハムエッグ、残り物の野菜スープにプロテイン1杯。必要な糖質は移動中・レース前に補給食として摂る計画です。当日の補給計画は図のようなイメージです。

堺浜当日の補給計画

補給は大きく分けて5回のタイミングでした。移動中①②と、レース前③④、レース中⑤。また、昼食も大きな補給源になります。それではそれぞれの内容を見ていきます。

 

移動・アップ中①②

最近、ライドの途中でパンを食べるのにハマっています。なので、今回の補給も基本的にパンにしました。(パンは種類にもよりますが、脂質が多く含まれる場合があるので、本当はおにぎりやどら焼き・カステラなどの和菓子系の方が優秀な補給食だと思います)補給で糖質を摂ることの重要性は前回の記事をご参考に。

  • ①:黒豆パン1個
  • ②:レーズンパンに練乳クリームがサンドされたパン1個

①は自宅からの持参でしたが、②以降に食べたパンは途中で寄り道した汐見橋アン・ナンナンというパン屋さんで買いました。おいしかったです!店頭に並んでいるパンは脂質が多いデニッシュ系は少なく、あっさりしてそうなものが多かったので補給食にはもってこいです。

f:id:wd19:20191216151421j:imageどのパンもおいしそう。またこの辺来るなら寄りたい。

非常にざっくりですが、小ぶりな菓子パン1個あたりのカロリーは300kcal程度。サイコンで確認すると、アップに要したカロリーは約600~700kcalだったので、走ったぶんは補えたことになりそうです。

 

昼食

レースに向けて、糖質をはじめとした栄養素を摂取するために大切な昼食になります。意識したのは、食べるタイミングです。

  • アップ・移動の直後に食べることによって、筋グリコーゲンの回復を早める
  • レース本番まで十分な時間を空けることによって消化の時間を確保する

 

まず、筋グリコーゲンの回復について。運動直後に糖質を摂取すると、時間を空けて摂取したときと比べて筋グリコーゲンの回復スピードがアップします。これは、運動をすることによって、骨格筋内に血糖を取り込む作用が一時的に高まることで起きる現象です。たんぱく質を同時摂取することによっても筋グリコーゲンの回復スピードを相乗的に上げることができます。

ただし、運動直後に急いで糖質を摂取する必要があるのは、その日のうちにレースやトレーニングが控えているときのみです。筋グリコーゲンの回復に十分な時間(8時間以上)が取れる場合は、そんなに急いで糖質を摂る必要はありません。たとえ糖質摂取が遅れて回復スピードが低下しても、筋グリコーゲン量は十分に回復することがわかっています。

消化の時間を確保ほうがいいというのは、よく知られている話だと思います。一般的に通常の食事はレースの2~3時間前に済ませておくことが勧められています。今回はTTが非常に短時間高強度なため、直前に消化しづらいものを食べると気持ち悪くなりそうだなと思ったので、消化の悪そうなものから順に食べました。

 

実際に食べた物はこちら。

  • 昼食:会場のブースで買ったピタケパブ
    寄り道で買ったカレーパン・ミルククリームサンド

ピタケバブ、写真を撮り忘れたのでお店のホームページのメニューを貼っておきます。ピタパンにキャベツと焼いた鶏肉、ドレッシングが挟まれていてとても食べ応えがありました。ちょっと油分が多めの印象なので、レース直前にたべるときついかもです。

カレーパンは焼きタイプのもの。揚げたものだったら脂質が多いので買っていませんでした。中のカレーもお店で作っているんでしょうね、おいしかったです。食べてる途中は周りにめっちゃカレーのにおいがする、と言われました。これだけ食べても、90分のエンデューロに向けては足りないと思い、ミルククリームサンドも追加。

ケパブのカロリーが不明ですが、仮に500kcalだったとして、パン1個300kcalが2個、計1100kcal程度の摂取です。こちらの記事の内容をもとに、私の自転車抜きの必要カロリーを計算すると約1800kcalのため、1食あたり約600kcalが目安となります。つまり、通常の昼食で摂取するカロリーの600kcalをオーバーした、500kcalがこれから走るTTとエンデューロに備えたものになります。

 

レース直前③④

昼食でたくさん食べましたが、TTとエンデューロで消費するカロリーのことを考えると、実はまだ足りていません。2年前に同じ堺浜で90分エンデューロを走った時のログを確認すると、1000kcal程度消費していたようなので、もう少し食べておいた方がいい計算になります。この辺の考え方は図にしてみるとわかっていただけるかなぁと思います。

カロリー概念図

図のピンク色の「残り」部分がこの日の昼食までの摂取で足りていないカロリーとなります。実際は、すでに体内に蓄えられている筋グリコーゲン(前日糖質多めに食べたのはこのため)や、脂質もエネルギー源として燃やすことができるため、「残り」の部分全てをカバーする必要はありません。けれどもエンデューロは長丁場で、途中エネルギー切れを起こしても気軽に食べられる状態ではないので、念のため補給しておきます。

③のソーダは水分が欲しかったけれど会場に自販機がなかったので、ブースで売っていた手作りの飲み物を買いました。添加物として甘味料が入っていない清涼飲料水のカロリーは100mlあたり30~40kcal程度カップサイズ的に250mlくらいだったので、100kcal弱は摂取できたと思います。TTで急激に息が上がって喉がやられたので、レモンシロップはありがたかったです。

④の粉飴ジェルはこちらのもの。1本100kcalです。スタートラインに並んでいるときに食べました。どこかのレースでいただいたものですが、何のレースだったか忘れましたw 色がついていないので、食べた後のゴミを持っておく際、白いジャージが汚れず助かりました。

持久系アスリート専用粉飴ジェル 40g×20本

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実はこれでも足りるか不安だったのですが、とりあえずエンデューロがスタート。 

 

レース中⑤

ドリンクにマルトデキストリン

レース中のドリンクにマルトデキストリン(粉飴)を溶かしておき、糖質を補給できるようにしていました。約600mlのボトルに40gの粉飴を入れて、実際にレース中に飲んだのは半分程度。ざっくり計算すると粉飴1gあたり4kcalなので、4kcal/g×40g×0.5=80kcal程度の摂取です。

摂取できる糖質・カロリーの量は知れていますが、わざわざドリンクを準備したのには訳があります。「中枢性疲労」の軽減のためです。

疲労には、筋肉疲労に由来する末梢性疲労と、脳が主体となって感じる中枢性疲労の二つがあります。脳や中枢神経系のエネルギー源はグルコース(血糖)です。(グルコース・グリコーゲンなど糖質の種類の解説はこちら)運動中は脳内の神経伝達物質が増加するのですが、それを作るために血糖が必要になります。運動中は普段より増して脳も糖質を欲しがるということです。しかし運動中は筋肉でも血糖を消費するため、脳がエネルギー切れを起こすことがあります。これによって引き起こされる疲労感や集中力の低下、パフォーマンスの低下を中枢性疲労と呼びます。

運動中、少量の糖質を口に含むだけでも、この中枢性疲労が軽減されるのではないかということが最近わかってきました。口の中にある糖質センサーが反応して脳へ刺激が伝わると、中枢性疲労が軽減されると考えられています。

 

BCAAも追加

また、中枢性疲労対策として、マルトデキストリンに加えてBCAAのパウダーもドリンクに溶かしておきました。ご存知かと思いますが、BCAAは分岐鎖アミノ酸の略称で、具体的にはバリン・ロイシン・イソロイシンと呼ばれるアミノ酸のことを指します。BCAAは筋肉でエネルギー源として利用できるため、運動中は血中の濃度が低下します。

人体にとって、脳は非常に繊細で重要な器官のため、脳内に流入する成分は厳密に管理されています。BCAAもその管理下にあって、脳に流入するためには特別な輸送体(運ぶための船のようなもの)が必要です。ただ、この輸送体はBCAAだけでなく、トリプトファンというアミノ酸を脳に運ぶためにも使われています。共用なのです。

普段はBCAAとトリプトファンはバランスが取れた上で脳に運び込まれていますが、運動によってBCAAの濃度がトリプトファンと比べて相対的に低下すると、脳に流入するトリプトファンの量が増えてしまいます。トリプトファンは脳内でセロトニンという神経伝達物質を作る原料であるため、脳内に流入する量が増えるとセロトニンの生成量が増加します。セロトニンは精神的な安定に必要な物質ではありますが、多すぎると疲労を感じさせる原因になると言われています。

このため、運動中にBCAAを摂取することでBCAAの血中濃度を回復させ、トリプトファンとのバランスを取り戻すことで中枢性疲労を軽減させると考えられています。実際、運動中にBCAAを摂取することでレースタイムが短縮されたという報告があります。*1*2

個人的にはマラソンをしていた頃、レース中にアミノバイタルを食べるとしんどさが軽減する気がしていました。

f:id:wd19:20191216152808j:image棚の奥に眠っていたBCAAパウダー。グルタミンも入っているので筋グリコーゲン回復にも寄与するかも。

 

今回のエンデューロではレースの流れについていくのに必死だったので、このドリンクを飲んだからどうなったという変化を感じることはありませんでしたが… 集中力を途切れさせず、無事最後まで走りきるのには一役買ってくれたかもしれません。

 

肝心のレースの方はというと…

ここから簡単にレースレポです。コース1周(約1km)TTの30分後にエンデューロがスタート。開始15分までは先頭集団。かなりハイペースだったので、この時間帯が一番キツかったかも。集団が大きかったせいでコーナー前後の減速・加速の落差が激しい。加速時はPWR5倍近くで踏み倒しても置いていかれそうになる。周りに囲まれるのが怖くて、終始アウト側を走らざるを得なかったのも辛かった。

15分で心折れた後、数十m先に目標にしていたJさんの背中を発見。必死で追いついて一緒に走らせてもらうことに。Jさんに「後ろ入っていいよ!」と言ってもらえても、なぜかうまく後ろに付けない…(集団の中でチョロチョロせざるを得なくて、周りに迷惑かけてたらどうしよう)この時間帯は女子が大半の集団を男性が引いてくれたので、かなり楽に進められた。コーナリングが下手なせいで、コーナーでガタついたり、前との距離が開いたりする現象は繰り返された。

 

30〜45分くらいから、実況のアナウンスでチームGSJとよく呼ばれていたので、おかしいなぁと思っていた。目の前には私より先に走る女子がたくさんいる気がしていた。後半に入ってくると、女子集団にも男性が多く加わって、集団が大きくなってペースも上がってくる。何度もJさんの背中が遠くなって「もうダメだ」と思ったけど、しばらくしたらなぜか追いついていた。

残り30分を切った頃から気持ちが楽になってきたのと、レースの状況がなんとなくわかってきた。私の前方を走っているJさんともう1人の方が女子の先頭のようだ。ギャラリーから「脚を休めろ!」と聞こえてきたので、変に飛び出したりしないように、集団についていくことに集中する。脚の疲労と腰の痛みがすごかったけれど、折を見ながらペダルの上に立って脚を休ませながら凌ぐ。ペダルの上に立つと不思議と回復する。漕ぎ続けないと止まるヒルクライムではできない技。

ギャラリーから「あと3周!」と聞こえてにきて、やっとこのしんどいレースから解放されると思って嬉しくなる。何台か先のイン側前方に、前の2人の背中が見えている。ラスト周回のまでこの状態。私はだいぶアウト側にいたせいで、どこかで飛び出さないと2人に近づけないと考えた。ラスト周回の半分を過ぎた辺りで思い切って飛び出す。先頭を争う状況なんて今まで経験したことがないので戦略もなにもなかったけど、なんとなく。スパートをかける脚はなんとか残っていた。補給のおかげか!?

ここで先頭に立ったけど、苦手なコーナーでダメなコーナリング。両側に人がいると恐怖で腰が引けて上手く曲がれない。減速してしまって周りに捲られた結果、人に埋れて加速したくてもできない。そんなことをしているうちに1位の方にアウト側からすーっと抜かれる。ゴール手前で必死に踏んだけど時すでに遅し。

初めて表彰台のてっぺんを取れたかもしれない状況で逃しちゃったけど、レース後は清々しい気分でした。あんなにコーナリングと位置取りが下手なんだから、負けたのは当たり前だよなぁと妙に納得してました。女子集団で最後まで走らせてもらえたことがただただ嬉しかったです。

 

総括

2年前、同じ90分エンデューロに出た時は、ラストにはへろへろになっていて、殆ど踏めなかった記憶があります。その時と比べて、積み重ねた練習量が違うというのもありますが、補給や食事の対策があったかないかも差になったんじゃないかなぁと考えています。

今回私がした対策は、偶然上手くいっただけかもしれません。結果が良かったので上手くいったと勘違いしている可能性だってあります。(たまたま会場のブースに出ていたものの中から機転を利かせて食べたものもありますし、パンばっかり食べるのがいいわけではないですし)また、すべての人にとっての正解ではないとは思います。体格や消化能力、代謝の得意不得意によって、最適な補給内容は変わってくるはずです。

けれども、戦略的に補給のことを考えてレースに臨むことは絶対プラスに働くと思います。たとえ失敗しても、次に活かせます。レースに向けての補給の考え方について簡単にまとめます。

 

  1. 事前にカーボローディングが必要かどうか検討する
  2. レース当日のスケジュールと食事のタイミングを確認する
  3. アップとレースの総計で何kcal消費するのか大体把握する
  4. 3の消費カロリー全てをカバーする必要はないが、当日の食事と補給で十分にカロリーを取れるように計画を立ててみる

 

3は、過去のログなどを参考にざっくり把握するだけいいと思います。4も、あくまでも計画なので、おにぎり⚪︎個ぶん、ジェル⚪︎個ぶんぐらいの見立てで準備しておく。あとはレース当日、お腹と相談しながら食べるものを決める、といった感じになると思います。

 

以上、レースレポなのかグルメレポなのかよくわからない内容でしたが、ここまで読んでいただいてありがとうございました!(8000字に迫る勢い)

 

f:id:wd19:20191216212350j:image最後に後ろ姿。スタート前にかわいいと褒められたゴリラプリント。りっつさんに撮っていただきました。ありがとうございました!

 

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なお、今回の記事を書くにあたって参考にした書籍はこちらです。

スポーツ栄養学: 科学の基礎から「なぜ?」にこたえる

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スポーツ栄養学 (イラスト)

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