【vol.6】サイコンの消費カロリーが信用できない?そんな時はStravaで!

前回の記事、もはや栄養学ではなく単なるGARMINサイコンの研究みたいになってますw 個人的に、めちゃくちゃ頑張って書いた超大作なのでぜひご一読を。

wd19.hatenadiary.jp

では今回は何の研究かというと、Stravaの研究です!

果たして「ロードバイク的栄養学」と冠していいものか悩みますが、ロードバイクの栄養学を考えるのに必要な話(なはず)です。このまま突っ走ろうと思います。

 

前回vol.5では、パワメか心拍計を使っていてかつ、それに対応しているサイコンなら、表示される消費カロリーは結構使えそうな数字ですよ、とお話しました。一方、パワメもサイコンも使っていない場合、表示される消費カロリーはちょっと信用できないよ、という結論に至りました。

ではそのような状況の方々は、パワメか心拍計を追加投入するかサイコンを新調するしか、消費カロリーを知る方法がないのか!?というと、そうでもないのです!

 

独自の消費カロリー算出方法を持っているStrava

実はStravaは、パワーや心拍データがなくても、前回紹介した「パワーメーターによる仕事量」の方式で、消費カロリーを求めることができます

どういうことかというと、Stravaはパワメがない場合は独自の方法で推定パワーを求める機能を持っていて、そこから消費カロリーも知ることができるんです。

パワメを使用していない方は、StravaのPC画面で「推定平均パワー」という項目をご覧になったことはないでしょうか。(スマホアプリでは推定という言葉は使われずに、単に「平均パワー」という項目で表示されます)パワー(w)が求まれば、仕事量(kj)も求められます。

下の画面のエナジーアウトプットという項目が仕事量に該当します。前回記事で紹介した通り、仕事量(kj)の数字は消費カロリー(kcal)とほぼ等しくなるため、このライドの消費カロリーは大体1000kcal前後だろうと推測することができます。

Strava推定パワー

 

Stravaはどのようにして推定パワーを計算しているのか

となると、Stravaによる推定パワーがどの程度正確なのかが消費カロリー計算のカギを握ることなになります。

まずはStrava公式のサポートページ*1で公開されている、推定パワーの計算方法を見てみましょう。(英語のみの対応だったのでGoogle翻訳済みのキャプチャを貼り付けました。この下に、さらに詳しい説明が書かれています)

Strava公式サポートページのキャプチャ

計算に使われている4つの項目のうち、Strava側で絶対わからないのが風、つまり空気抵抗です。また、重力や加速度を求めるのに自転車と乗っている人の総重量が必要ですが、これもブレが出てくるところかと思います。その他にも、重力を求めるには斜度の情報が必要で、これもブレが出る要因になりそうです。

 

実際のStravaログで検証

では実際にお手並み拝見ということで、セグメントごとの実測パワーと推定パワーを比較してみます。(これをするために同じルートを2回走りましたw なお、GARMIN Edge520が修理中だったため、以下のどちらも旧モデルの500で計測しています)

◆パワメあり(実測パワー

実測パワーのセグメント一覧

 

◆パワメなし(推定パワー)

推定パワーのセグメント一覧

上りのセグメントでは大きくかけ離れた様子はありませんが、下り!!この区間、途中に上りや平坦は全くない、ひたすら下りの区間です。どちらの場合もペダルは止めていました。なのに推定パワーは60W。このあたりがStravaによる推定パワーの弱点といえそうです。

 

では、消費カロリー計算の大元となる仕事量を比較するとどうなるか。

◆パワメあり(実測パワー)実測パワーの仕事量

◆パワメなし(推定パワー)推定パワーの仕事量

あれ?だいたい同じくらい?なぜかわかりませんが、仕事量はパワメで実測した数値と似たところに落ち着いています。偶然かと思って他のパワメあり・なしのログを比較しても、だいたい同じような結果になっています。推定パワー自体は実測と異なる部分があるのに、謎です。どこかでうまいこと誤差を補正しているのでしょうか?

がしかし、この結果からStravaの推定パワーで求めた仕事量(≒消費カロリー)はおおよそ実測に近い数値になる、ということが言えそうです!

(パワメあり実測の「加重平均パワー」と「推定平均パワー」の数値が異なるのは、実測の場合、ペダルを止めて実質0Wの時間が含まれていないためと考えられます)

 

ただし、使用するサイコンによっては今回のような結果にならない可能性もあるので注意が必要です。なぜかというと、Stravaがパワーを推定するためには正しい斜度(高度)の情報が必要だからです。

GARMINには気圧高度計機能があるため、比較的正確に高度を計測することができます。しかし、高度計機能がないサイコンの場合、高度が不正確なため、推定パワーや仕事量、消費カロリーが実際とはかけ離れてしまう可能性があります*2

 

Stravaで消費カロリー見るならPC画面!アプリじゃない!

つまり、高度計付きのサイコンを使っていれば、パワメや心拍計がなくても、Stravaの消費カロリーを見ればOK!ということで締めくくりたかったところなんですが、一筋縄でいかない理由がありまして。

Strava公式の発表によると「Stravaが読み込んだデータの中にあらかじめ消費カロリーの情報が入っていれば、そちらを優先して表示させるよ」という仕様になっているそうなのです。(以前はStrava独自の消費カロリーが表示されていた。2018年7月のアップデートによる変更)

前回、パワメも心拍計も使わない場合は「走行距離と時間」によって消費カロリーが算出されていて、これは信頼できない数値であることをお伝えしました。Stravaに読み込ませるデータにこの「信頼できない数値」が入っていたら、それがそのまま消費カロリーとしてStravaに表示されてしまいます。

実際にパワメなし・心拍計なしの時のStravaログを確認してみると…やっぱりそうでした。GARMIN Edge500が「走行距離と時間」方式で算出した消費カロリー(1739kcal)がそのまま表示されています。

StravaPC画面での消費カロリー

こちらはPC画面表示なので、推定平均パワーから求められた仕事量(1168kj)も確認できます。この数字からおおよその消費カロリーを把握すればよいのですが、問題はスマホアプリの画面です。

Stravaスマホアプリ画面での消費カロリー

残念ながら仕事量は表示されず、信頼できない消費カロリーがしれっと居座っています。

 

つまり…パワメも心拍計も使っていない、または使っていてもサイコンがそれに対応していない場合は、StravaのPC画面に表示される推定仕事量(kj)から、おおよその消費カロリーを把握しましょう!、という結論となりそうです。

皆さんはStravaってPC画面で見ますか?私はあまり見ないです…

 

今回は、パワメも心拍計も使っていなくても、ちょっとしたひと手間でおおよその消費カロリーを知ることができますよ、というお話でした!

次回は、ライドの消費カロリーと日常生活の消費カロリー、この2つをどうやってつなぎ合わせるかです。これでやっと「ライドがある日のトータルの消費カロリー」についてお話できます!ほんと奥が深いです。

今日もお読みいただきありがとうございました!

 

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*1:日本語ではなく、English(US)を選択すると、に日本語では公開されていない様々な情報を調べることができます。コミュニティ(知恵袋的なやつ)にも結構役立つことが書かれていたりします。Google翻訳を使えば私のような英語大嫌い人間でも理解できる文章になって出てきます!

*2:https://support.strava.com/hc/ja/articles/115001294564-Strava-%E3%81%AE%E9%AB%98%E5%BA%A6%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8BFAQ