【高たんぱく・低脂質】お手軽ローストチキン&ポークの作り方

お久しぶりのブログ更新です。なんだか急にブログ熱が冷めて更新をさぼっておりました。

年末から気合いを入れて(当社比)ダイエットに取り組んでいるのですが、なるべく高たんぱく質かつ低脂質のメニューを、手間なく作ることはできないだろうか…と色々調べて試行錯誤。

結果生まれた「超手軽に作れるローストチキンとローストポーク」のレシピを、今回は詳しい作り方付きで紹介したいと思います!

 

 

どんなレシピ?

塊肉を110℃のオーブンで低温調理します。低温調理といえばお湯で加熱するサラダチキンがポピュラーですが、湯温の管理が意外と難しかったり、水っぽくなったりするのが個人的に好きではありませんでした。

オーブンなら一旦セットしてしまえばあとは放置するのみ。温度管理が確実なので毎回の出来具合にムラがないのが最大のメリットです。また、うまみが逃げないので、脂身なしの肉でもしっかりとした味わいに仕上がります。

漬け込み~焼き上がりまで時間はかかりますが、実際の作業時間としては5~10分程度で済みます。焼きあがってから2~3日は冷蔵庫保存が可能なので、お肉が安いときに一気に作って作り置きおかずとして常備しておくことも可能です。

忙しいけどヘルシーで食べ応えのあるおかずを食べたい時におすすめです!

 

ちなみに、110℃のオーブンで加熱するなんて素晴らしいアイデア、私が思いついたわけではなく…こちらのレシピをもとに、最低限のポイントを押さえてアレンジさせていただきました。本家はこちらです!

dt125kazuo.blog22.fc2.com

 

材料と作り方概要

<材料>

・鶏むね肉1枚(250~350g推奨)or 豚もも肉ブロック250~350g

・肉の重量の3%の食塩

・ガーリックパウダー小さじ1/2 or にんにく1かけ

・砂糖小さじ1/2

・コショウやパセリなどお好きなハーブ・香辛料

・サラダ油やオリーブオイルなどお好きなオイル

 

<使用するアイテム>

フォーク、丈夫な食品用ビニール袋、アルミホイル

キッチンバサミ(あったら便利)

 

<作り方概要>

1.食塩・ガーリックパウダー・砂糖・ハーブ類を計量し混ぜておく

2.鶏むね肉は皮を外す

3.肉にフォークで穴をあける

4.1で混ぜた調味料をまぶしてビニール袋に入れ、もみ込む

5.冷蔵庫で寝かせる(3時間~24時間)

6.冷蔵庫から出して常温に戻す(30分~1時間)

7.オイルをまぶして110℃に予熱したオーブンで80分加熱

8.焼きあがったらアルミホイルで包んで冷ます

9.切り分けて完成!

 

写真付きで詳しく解説!

 

1.食塩・ガーリックパウダー・砂糖・ハーブ類を計量し混ぜておく鶏むね肉の皮は、一般的に40~50g程度です。このため、今回は鶏むね肉300gの3%の4.5gの食塩が必要な計算になります。豚もも肉はラベルの重量そのままで計算。

我が家の料理用はかりは1g単位なので、4.5gといっても本当にだいたいです。食塩はお好みのものでアレンジ効かせちゃってください。今回、鶏むね肉用にクレイジーソルト+普通の塩、豚もも肉用には雪塩を使いました。

ハーブ、香辛料もお好きなもので。ガーリックパウダーがないときはにんにくをすりおろして混ぜるのもアリ。砂糖は水分を抱え込んで肉を柔らかくする作用があるため少量使います。ほとんど味には影響しません。

今回使用した調味料は以下の通りです。

鶏むね肉(洋風の味付け):クレイジーソルト、普通の塩、パセリ、パプリカパウダー、ブラックペッパー、ガーリックパウダー、砂糖

豚もも肉(中華風の味付け):雪塩花椒(ホアジャオ:麻婆豆腐の痺れるやつ)ガーリックパウダー、砂糖

 

2.鶏むね肉は皮を外すもみ込み用のビニール袋は広げてスタンバイしておくと楽です。皮を外すのにはキッチンバサミがおすすめ。余計な脂身も取りやすい。

 

3.肉にフォークで穴をあける

まじで穴だらけでいいのでぶすぶすやっちゃってください。味が染みこみやすくなるのと、肉の繊維を断って柔らかくするねらいがあります。

 

4.1で混ぜた調味料をまぶしでビニール袋に入れ、もみ込む

表に半分だけかけてビニール袋にイン→裏側に残りをかけると楽に均一にかけられます。

 同様に豚もも肉にも取り掛かります。豚もも肉は皮を外す作業がないので更に楽です。

書き忘れていましたが、ビニール袋を裏返して手袋代わりにして作業すると手が一切汚れずに済みます。

穴だらけ。

表側に調味料をかけたらビニール袋ごとつかんで裏返す。

裏側に残りの調味料をかける。

 

5.冷蔵庫で寝かせる(3時間~24時間)味をなじませるために、できれば半日~一晩以上置いてもらった方がよさそうです。

 

6.冷蔵庫から出して常温に戻す(30分~1時間)

冷蔵庫から出してすぐオーブンに入れると中心部まで十分に加熱できない可能性があります。どうしても時間がないときはオーブンの設定温度を上げる、加熱時間を長くするなどの工夫が必要です。

 

7.オイルをまぶして110℃に予熱したオーブンで80分加熱

今回、洋風の鶏むね肉にはオリーブオイル、中華風の豚もも肉にはごま油を。オイルの種類はお好みでどうぞ。

オイルはビニール袋の中にばーっと注いで肉全体にいきわたるようにもみもみすればOK。オイルでコーティングすることで、肉表面が乾燥して固くなるのを防ぎます。

オーブンの天板にアルミホイルを敷いて肉を並べます。少量ですが肉汁が出るので、漏れ出さないように周りを囲っておきます。

110℃に予熱したオーブンに投入!80分セットしてあとは待つだけ。

8.焼きあがったらアルミホイルで包んで冷ます焼き上がり。少し縮んで肉汁が出ています。肉汁は捨ててもそのままでもよし。

敷いていたアルミホイルでそのまま包んで粗熱が取れるまで放置。

 

9.切り分けて完成!鶏むね肉は中心部まで白くなっていてピンクの部分は残っていません。しっとりとしてきめ細かい食感です。そのまま食べてもおいしいし、角切りにしてサラダの具にしてもおいしいです。

豚もも肉はこんな感じ。わずかにピンクがかっているかな?くらいが目安です。しっとりとして、みっちりつまった弾力のある食感です。なにもかけずにいただけます。

肉のスライスは普通の包丁よりもギザギザ刃のナイフを使う方がきれいに切れます。私はビクトリノックスのベジタブルナイフを愛用してます。小ぶりでお手頃価格でパンもきれいに切れるのでかなりおすすめです。

 

低温調理に関する考察

今回は管理栄養士らしく、低温調理の利点と衛生的な注意点についても語ってみたいと思います。

たんぱく質の変性と加熱温度

肉は加熱しすぎると固くなってパサつきますが、しっかり加熱しないと食中毒のリスクがあるというジレンマを持つ食材です。しっかり加熱して食中毒のリスクを下げたうえで、柔らかくおいしく仕上がる温度で調理する必要があります。

たんぱく質はある一定以上の温度になると「変性」という現象を起こして、固まったり色が変わったりします。これは熱の影響でたんぱく質分子の形が変わってしまうこと原因で起こる現象です。

肉を構成するたんぱく質は主にアクチン・ミオシン・コラーゲンに分類されますが、このうちアクチンは66℃で変性が始まり、これが硬さやパサつきの原因となります。他にもいろいろな要素はあるのですが、とりあえず肉の温度が66℃を超えないようにすれば、柔らかく仕上げられることになります。

けれども…そんなに低い温度で、食中毒の原因になる微生物を死滅させられるのでしょうか。これについては、厚生労働省が提言している「食肉の加熱条件に関するQ&A」という資料が参考になります。

基本的には「中心部を 75℃で 1 分間加熱することが必要」とされています。また、これと同等の条件として「70℃3 分、69℃4 分、68℃5 分、67℃8 分、66℃11 分、65℃15 分が妥当」とされています。

最善の条件は?

ここまで説明した内容を照らし合わせると、「65℃15分」が最も柔らかく安全に仕上がる条件といえそうです。けれどもこれ、たぶんめっちゃ加熱に時間がかかります。また、肉の厚みや重量による影響が大きいため、確実に「65℃15分」を実現できる条件を作るには、かなり手間がかかるのでは、と個人的には思います。実際、実験に実験を重ねて低温調理を極めた方のブログを読むと、かなり繊細なんだなという印象を持ちます。

一方で、これまで私が低温調理をする中で感じたのは、中心温度が75℃を超えると固さが目立ちだすということです。このため、手軽さとおいしさのバランスが取れているのが、70℃付近の中心温度なのではと思います。

今回のレシピでの中心温度は?

それでは、今回のレシピの条件で作るとどうなるのか。実際に中心温度を測ってみました。完成5分前、つまりオーブンで加熱開始後75分経過した時点での、鶏むね肉の中心温度…

70.2℃でした。(これを測った時の鶏むね肉の重量を記録していなかったのが心残りですが…おそらく300g前後だったと思います。)レシピ通りにいくと、ここから5分さらに加熱するので70℃3分という条件は確実にクリアできると思います。予熱を考慮すれば、75分時点で加熱終了してもOKかもしれません。

70℃くらいまで加熱すると、アクチンの変性がある程度進んで固さも出るには出るのですが、十分おいしく食べられる範囲です。作ってみたらわかりますよ(謎の上から目線)。

これより柔らかく食べようと思うと、オーブンの設定温度をさらに低くして、加熱時間を延ばさないといけません。誰か実験していい条件がわかったらぜひ教えてくださいw 熱伝導の関係上、お湯で加熱するより時間がかかってしまうのがオーブンの弱点ですね。

 

栄養学的な考察

冒頭にダイエットの話をちらりと書きましたが、このローストチキンとローストポークはトレーニングしながら痩せたい方の強い味方になってくれると思います。なにせほぼ脂身なしなので高たんぱく質・低脂質。計算すると下記のような構成になります。

<鶏むね肉>鶏むね肉

<豚もも肉>豚もも肉

※グリコHPの「栄養成分ナビゲーター」を使用して計算しました。

特に鶏むね肉で作ると脂質が少なくたんぱく質が多いことがわかります。1食分としては100~150gが目安なので、これだけで35~25gのたんぱく質が摂取できます。カロリーは200~130kcal。メインディッシュとしてしっかり食べられるので、低カロリーでもかなりの満足感が得られます。

ちなみに、リッチな気分を味わいたいときはで豚ロースで作ってもおいしくできます。オーブンから出した後、短時間強火のフライパンで焼き目を付けると、脂も香ばしくなって最高です。脂身によって脂質が激増するのでカロリーは倍になりますが…

 

お味のほどは?

さて、これだけ書いておいて、味についてあまり言及してこなかったので最後に付け加えておきます。おいしいです

1月にめうさん主催の「新めう会」の持ち寄り料理として、このローストチキンとローストポークをお持ちしたのですが、「おいしかった!」というコメントをたくさんいただきました。ありがとうございました!

ameblo.jp

この時はスライスしたのをそのままお出ししたのですが、アレンジするならサラダの具にするとか、薄めにスライスしてソースをかけて丼にするとか、サイコロ状に切ってオムレツの具にするとか、余ったカレーのトッピングにするとか、サンドイッチに挟むとか、いろいろ思いつきます。ハーブやスパイスもアレンジが効くので、飽きずに楽しめると思いますよ。

 

実はこれを書いている最中にも鶏むね肉2枚焼き上がりました。ぜひ皆さんもつくってみてください~!

 

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